おうちで参鶏湯★韓国人の作り方
韓国の代表的な料理、参鶏湯(삼계탕・サムゲタン)の作り方について紹介します。
夏のスタミナ食としても人気なので、今の季節にぴったりの料理ですね〜。
本場発信の人気レシピ動画7選と合わせて、韓国人の作り方を分かりやすくお届けします。
- 基本がすぐ分かる!レシピ2選
- 人気料理研究家の本格レシピ2選
- 韓国人ベテラン主婦の人気レシピ3選(+参鶏湯とペクスクの違いについて)
基本がすぐ分かる!レシピ2選
コンパクトな映像で、基本の流れがよく分かるレシピを2つ紹介します。
シンプルな材料で。簡単レシピ
韓国で料理の本や雑誌を出している会社のレシピチャンネルです。
漢方材料を使わないので、日本でも再現しやすいレシピです。
■丸鶏の下処理
① 手羽先の前の部分を包丁かハサミで切る。
② お尻の脂の多い部分を取る(皮の脂は旨味も出るので基本取らない)
③ 内蔵があったところについている血の固まりなどを綺麗に取る、流水で洗う
■参鶏湯のレシピ
① 水に30分〜1時間つけておいたもち米(1カップ)、ナツメの実(2個)、にんにく(3個)、銀杏(4個)を丸鶏のお腹に入れる
② 中身が出ないように串で入り口をよく閉じる ☆簡単Ver
③ 鍋に②の丸鶏、にんにく7個、ナツメの実2個、長ねぎ2本、粒胡椒9個、酒1/2カップ、水10カップを入れて中火で40分間煮込んで完成!
丸鶏の下処理で不要な脂と臭みが出やすい血の固まりを綺麗に取り除きます。
上記①②③は基本やるので、こちらの動画で少し分かりにくかったら、下記に載せた動画からチェックしてくださいね。
こちらのレシピで変化球の作り方と言えば、串を使って入り口を閉じたこと。
もともとは、足の部分に包丁で穴を開けて、鶏の足を刺して閉ざします。この部分は、下記2、3番目のレシピ動画で確認できます。それが難しければ、このように串を使う方法もあります。
煮込み時間は、丸鶏のサイズによって30〜50分です。
お肉は、塩コショウにつけて食べるのが定番です。スープの塩加減は、食べる際に器の中に塩を少し入れて食べる側で調整します。
辛いものが好きな方は、こちらのレシピで紹介したタッカンマリのタデギ入りタレもおすすめです。
本格な作り方をコンパクトに
こちらの人気レシピもコンパクトで分かりやすいです。
圧力鍋を使ったレシピです。時間短縮できるので、家庭では圧力鍋で作るのが結構人気です。
★英語字幕あります。
■レシピの要約
若鶏 530g
① もち米を水につけておく
② 丸鶏の下処理をする
③ もち米、ナツメの実、高麗人蔘、にんにくを丸鶏の奥に入れる
④ 両足のお肉に包丁で穴を開けて、足を差し込む
⑤ 圧力鍋に、④の丸鶏、参鶏湯用の漢方セット、コムタンスープ(省略ok)、水を入れて加熱
⑥ 圧力鍋に音が出たら弱火にして10分加熱後、圧力が抜けるまでしばらく待つ
⑦ 器に鶏肉とスープを盛り、輪切りの長ねぎ、ナツメの実を添えて出来上がり
こちらのレシピで変化球の作り方と言えば、市販のコムタンスープを使ったことです。
お店では、濃い出汁にするために、出汁用として骨付きの鶏肉をたっぷり入れて作りますが、おうちでそれを再現するのが難しいのでこのようにコムタンスープなどを使う人もいます。
もちろん省略OKですし、鶏がらスープの素などを使って旨味をアップグレードしてもいいですね。
ちなみに、こちらのレシピで使った丸鶏は300円、漢方セットは150円くらいです。韓国はスーパーで生の丸鶏と漢方材料がお手頃で売っているのでお家でも作りやすいです。
丸鶏と漢方材料があれば、本場のスタイルで作るのは難しくないですが、日本のスーパーで一般的に売ってないところが壁ですよね…。
人気料理研究家の本格レシピ2選
韓国の料理番組にもよく出演する有名な料理研究家のYouTubeチャンネルから、レシピを2つを紹介します。
本格な材料と美味しく作るコツが分かります。
料理研究家の本格レシピ
動画が少し長めですが、作り方を丁寧に分かりやすく紹介してくれます。
丸鶏の中に材料を入れる+入り口を足で閉ざす内容は、動画の5:30分から! 上記2番目レシピでは、両足に穴を開けて足を刺しましたが、片方だけで十分みたいです。
★韓国語字幕があります
■材料
若鶏2匹、塩大さじ1
■ 丸鶏の中に入れるもの
もち米1/2カップ、銀杏5個、にんにく5個、ナツメの実3個、緑豆1/2カップ、高麗人参2本
(※もち米、緑豆は1時間以上水につけておく)
■出汁
キバナオギの根、長ねぎの青い部分4本、長ねぎのひげ根3個、玉ねぎ1/2個、にんにく5かけ、生姜スライス3かけ、じゃがいも(大)1個、水6L
■スープにトッピング
輪切りの長ねぎ1カップ、みじん切りの青唐辛子(辛い)大さじ2
■塩だれ
塩大さじ2、粉唐辛子小さじ1、すりごま小さじ1、コショウ少々
若鶏の下処理の際に、首あたりの皮にも脂が多いので除去したほうがいいとのことです。
また、全体の皮のところに塩もみするのを勧めています。これは省略する人が多いので好みで良さそうな気がします。
参鶏湯の出汁に入れる漢方材料の中で「キバナオギの根」が定番の材料です。
韓国語ではファンギ(황기)と言いますが、臭み除去にもよくてこちらのカンジャンケジャンレシピでも紹介したことがありました。料理研究家の話によると、汗をかく夏に良い栄養も含まれているとのことです。
高麗人参(朝鮮人参)も参鶏湯の本格材料です。Amazonではこちらが評価が高かったのですが… 省略もありかなと思います。
韓国語では高麗・朝鮮抜きで、インサム(인삼・人参)と言います。ちなみに、野菜の人参のほうは漢字がなくタングン(당근)と言います。
大きいじゃがいもを入れるとデンプンがスープを美味しくしてくれるそうです。参鶏湯の残り汁には、潰したじゃがいもと残りのもち米と緑豆を入れて〆のお粥を!
人気材料の緑豆。丸鶏に具を入れない作り方
こちらの料理研究家は、旦那さんもタレントなので少し生活感のある(?)内容になっています。
美味しさのコツは、「緑豆」を入れることだそうです。1番目の料理研究家レシピにも緑豆が入っていたので、共通している部分です。
緑豆は同じ漢字を使って韓国語ではノクドゥ(녹두)と言いますが、この緑豆は参鶏湯によく合うから、韓国では人気の材料です。
皮剥き緑豆ももち米と同じく水につけて準備します。洗うだけで入れる場合は長めの加熱時間が必要です。
■材料
丸鶏(大・12号)1匹
キバナオギの根、高麗人参2本、ナツメの実15個、にんにく1つまみ、生姜大さじ1、水3L
緑豆1カップ、もち米1カップ、玄米もち米1カップ
最初の材料の紹介、分かりやすいです。
上で紹介した本格材料、ファンギ(황기・キバナオギの根)とインサム(인삼・高麗人参)が見えますね。
韓国では、丸鶏をサイズ別で〜号と売っていて、1人前は小さい若鶏5〜7号で作ります。こちらの料理研究家が使った12号は大きい鶏なので、家族が一緒に食べる時に良いサイズです。
鶏肉には、もち米や漢方など具材を入れないです。漢方材料は出汁に入れて煮込み、もち米は残りのスープに入れて〆のお粥を作ります。下にも書きましたが、韓国の家庭ではこのような流れで作る人が多いと思います。
ニンニクは、お肉の味を損ねるから、お粥を作る時に入れるのがおすすめとのこと。普通は最初から入れる人が多いですが。
40分煮込んでから、鶏肉にお箸を刺して血が出ないことを確認したら、お肉を取り出して塩コショウにつけて食べます。食べている間に20〜30分煮込んでお粥を作っています。
緑豆と玄米もち米は、時間もかかるから、お肉を煮込む間に袋などに入れて一緒に煮込むのが良いそうです。お肉を取り出してから、袋から取り出してお粥を作りますが、下にくっつくから時々混ぜます。
糖尿がある方はもち米ではなく、普通の米で作ってくださいとのことです〜。もち米が美味しいけど、なければお米で作ったりするのでもち米にこだわらなくても良さそうです。
韓国人ベテラン主婦の人気レシピ3選
では、最後は、韓国人主婦の人気レシピを3つ紹介します。
ベテラン主婦がおすすめする作り方と、おうちで簡単に作るコツが分かります。
漢方材料は先に煮込む+おかゆ
漢方材料を1時間煮込んだスープで、丸鶏を入れて参鶏湯を作ります。
鶏肉を煮込む間に、漢方パックを入れて煮込むと、十分漢方材料の出汁が出ないことが多いので、こちらの主婦のように漢方材料を先に煮込む人もいます。
■材料
若鶏(5〜6号・530g)2匹、
もち米150g(紙カップ1カップ)、参鶏湯用漢方セット1袋
にんにく1つまみ、高麗人参(朝鮮人参)、ナツメの実3個、生姜シロップの生姜 大さじ1
ニラ、人参、塩1、水2L
こちらの主婦も料理研究家の2番目レシピのように、もち米を丸鶏の中に入れないです。
鶏肉の臭み除去のため、生姜シロップの生姜と塩とニンニクだけ、丸鶏の中に入れています。(こちらの人気主婦の生姜シロップレシピはこちらに紹介)
小さい若鶏を使用。沸騰したら5分後に弱火にして約20分、合わせて30分煮込みます。煮込んでいる間に鶏肉を一度上下裏返してくださいとのことです。もち米など具材を入れた際には基本裏返さないです。
熱々がよく維持されるトゥッペギ鍋に盛ってネギを添えて出来上がり!
残りのスープには、もち米とニラと人参を入れてお粥を♪ とても美味しそうです。
もち米を袋に入れて煮込んでご飯に!
こちらの方も鶏肉に具を入れない作り方です。
もち米は、綿の袋に入れて鶏肉と一緒に煮込むと、スープの出汁をよく吸って美味しいとのことです。
お粥にせず、ご飯として楽しめます。
■材料
鶏肉1300g
もち米450g、水4000cc、ニンニク100g、銀杏50g、ナツメの実50g、栗100g、朝鮮人参30g(1本)
丸鶏は大きいサイズなので40〜50分煮込んでいます。
もち米は、洗って水気を切って用意します。煮込み時間が長いから、水にはつけてないようです。
袋に入れる時は、膨らむことを踏まえて少し空間を残して入れます。空間が広すぎるとお粥のようになるので、適度な空間を残すことでちょうど良い食感になるとのこと!
熱いうちにもち米を取り出すと、袋につかず、綺麗に取り出せます。
スープにもち米を入れて、カクテキを添えて食べていますが、美味しそうです〜。カクテキは参鶏湯にもよく合います♪
参鶏湯とペクスクの違いについて
最後に、こちらの人気主婦のレシピを。作り方が分かりやすくて、豪華そうな仕上がりです。
丸鶏の中に具を入れないです。お家で作るときは、入れない作り方が人気です。
■材料
丸鶏1.2kg
キバナオギの根(황기ファンギ)40g、高麗人参2本、銀杏15個、ナツメの実10個、にんにく200g、水2L
人参1/3個、じゃがいも1個、長ねぎ2本、炊いたもち米2茶碗
大きい丸鶏なので煮込み時間は40分ほど。
ニンニク、銀杏、高麗人参は、20分煮込んだ後、途中で加えます。特にニンニクは煮込みすぎると形が崩れちゃうから、このタイミングがいいとのことです。
残りスープには、細かく切った人参、じゃがいも、炊いたもち米ご飯を加えてお粥を作っています。
炊いたもち米ご飯なのですぐ出来上がります。最後に長ねぎを追加、仕上げにはすりごまをかけて完成!
レシピ動画のタイトルを見ると、下記のように料理名が2つ書いてあります。
여름 대표 보양식 삼계탕 닭백숙!
夏の代表スタミナ食、参鶏湯とタッペクスク!
タッペクスク(닭백숙)のタッは鶏の意味。チーズタッカルビやタッカンマリに入っているタッと同じです。
ペクスク(백숙)は、じっくり煮込んだ料理を指すので、参鶏湯より範囲が大きい料理名と言えます。
参鶏湯とペクスクは、境界線が曖昧なところがあります。
ペクスクと言ったら基本、丸鶏の中に具を入れないので、上記で紹介したレシピの中で、ペクスクとも言えるものがあります。
また、参鶏湯は一人前の小さい鍋で楽しむ料理で、ペクスクは大きいお皿か鍋に盛ってみんなで楽しむ料理だと、ある韓国人料理研究家が言いました。
お家で家族がみんなで食べる際には、参鶏湯よりペクスクの作り方が楽ですし、食べ方も一緒に囲んでわいわいと楽しめるから、おうちごはんとしては、ペクスクが人気なのかなと思います。
うちの父もペクスクはよく作ってくれましたが、参鶏湯は専門店に食べに行く感じでしたね。
写真は「ふぐ鍋」ですが、もともとは参鶏湯屋さんに行く予定でした〜。
去年ソウルのお店で食べたもの。その話はこちら
では、韓国人のレシピが参考になれば嬉しいです。なにか気になるところがありましたら、コメントくださいね!
今まで紹介したレシピの中で少しサムゲタン気分を味わえる料理はこちら。
丸鶏で作る参鶏湯は作ったことがないので、チャレンジしてみたいですが、材料で難航中。
業務スーパーで丸鶏が売っていましたが、冷凍だったので…^^; ペクスクの形で作ってみようかなと考えたりしています。