韓国のあんこう料理アグチム
ソウルの実家に帰ると、いつも訪れる行きつけのアグチム屋さんがあります。両親と食べに行った時に撮った写真。
アグチムは、韓国の代表的なあんこう料理ですが、辞書では下記のように紹介されています。
あんこうと、豆もやし、せりといった野菜に辛口の薬味を加え、とろみが出るまで煮込んだ料理。プリプリしたあんこうの身とシャキシャキした歯ごたえの野菜が絶品。
韓国式の辛めのタレに包まれているあんこうに、たっぷりのもやしと香りの良いせりが美味しくて、ご飯もお酒もすすみます。
辛いものが好きな方や、あんこう鍋以外の作り方を試したい方にぜひおすすめです。韓国人主婦の人気レシピ動画と合わせて、本場の作り方も紹介します~。
材料と調味料
- あんこう500g
- もやし2袋
- せり1袋
- 長ねぎ1/2本
- ◯ 水1/2カップ
- ◯ みりん大さじ2
- 片栗粉大さじ2
- ◎ 粉唐辛子大さじ1~2
- ◎ コチュジャン大さじ1
- ◎ 味噌大さじ1
- ◎ にんにく(すりおろし)大さじ1~2
- ◎ 玉ねぎ(すりおろし)1/2個分
- ◎ ダシダ(鶏がらスープの素ok)大さじ1
- ◎ 塩コショウ少々
- 白ごま適量
ひと目で分かるレシピ
- 1あんこうを綺麗に洗います(塩水にさらす)。鍋にあんこう+水1/2カップ+みりん2を入れて蓋をして蒸します。
- 2せりは食べやすい長さに切り、長ねぎは薄切りにします。玉ねぎはすりおろしにします。
- 3あんこうにほぼ火が通ったら(※肝)、調味料◎を加えて煮詰めます。味見をして塩などで味を整えます。
- 4もやしを上にのせて少し蒸してから、長ねぎを加えて全体を混ぜ合わせます。
- 5水溶き片栗粉でとろみをつけます。せりを加えて軽く混ぜ、白ごまをかけたら完成です。
- 【※肝について】肝は潰れやすいので、取っておいてから最後に入れても良いです。下記2番目の参考レシピのように潰れてタレに溶け込んでも美味しいです。
タレが残ったら、もやしやネギを追加して2回目のアグチムを楽しめます♪
では、写真付きの詳しい作り方の前に、参考になる本場のレシピ動画をお届けします。
韓国人主婦の人気レシピ4選
アグチムのいろんなレシピを見ましたが、その中で特にオススメしたい韓国人主婦の人気レシピを紹介します。紹介したレシピと違うところや、アレンジの際にポイントになるところ、ヤンニョム(味付け)の作り方を要約しました。
No.1 アグチムで有名な馬山の作り方
最初の画面に「마산 아구찜 馬山アグチム」と書いてありますが、馬山(マサン)はアグチムが人気グルメの地方です。
子供の時から馬山(マサン)のアグチムを食べて育ったという方がレシピを紹介しましたが、「味噌」を入れることが馬山アグチムのポイントとのこと。そこを参考にしましたが、美味しかったです。
■出汁
サッパ、昆布、煮干し
■ヤンニョム(大さじ)
粉唐辛子たっぷり、にんにく4、味噌1、塩1/2、みりん
手間をかけて濃い出汁を用意しています~。
この作り方を試してみましたが、茹でたあんこうを最後に加えることで、あんこうが崩れないのはよかったですが、タレの味がしっかり馴染まない気がしました。
No.2 肝を潰してタレに入れても美味しい
ベテラン主婦の人気レシピチャンネルです。あんこう一匹をさばくところから始まります。
最初、あんこうの肝を潰したもので軽くタレを作ってからあんこうを煮込みます。
■ヤンニョム(大さじ)
肝、サラダ油、粉唐辛子2、魚醤1
出汁、塩1/2、みりん3、ダシダ 小さじ1
粉唐辛子4~5、魚醤(醤油)1
みじん切りのニンニク1、生姜1/2
とろみ:片栗粉2+もち米粉2+水150ml
コショウ
魚醤を入れるとさっぱりと美味しいとのことです。韓国の魚醤について
こちらの方のように、片栗粉ともち米粉を混ぜてとろみをつける人も多いです。
No.3 ダシダをフル活用した人気レシピ
YouTube再生数の多い人気レシピ動画ですが、調味料はシンプルです。
■ヤンニョム(大さじ)
粉唐辛子12、ダシダ4、ニンニク2、片栗粉4、水1カップ
混ぜ合わせた調味料で味付けするだけで超簡単です。水溶き片栗粉を最後に入れずに、ヤンニョムに入れちゃうところが新しいなと思いました。良い感じでとろみが付きますね。
かなりボリューミーに作っているのですが、お客さんを招待したそうです^^ でも最後にちょっと食べているところが出ますが、ご飯がすすみそうな出来上がりです。
No.4 韓国人主婦の人気レシピ
以前、タッカンマリのレシピでも紹介したことがある人気主婦のレシピチャンネルです。
最初、あんこうにヤンニョムをしてしっかり味付けしているところなど参考になりました。
■ヤンニョム(大さじ・1カップ=180ml)
煮干しの出汁1カップ、ニンニク1/2カップ
焼酎1/2カップ、粉唐辛子1/2カップ、
砂糖1、塩1、魚醤2(참치액 麺つゆ)
とろみ:もち米粉1+片栗粉1+ピーナッツ粉+エゴマの粉1
あんこうの白身のところは、韓国ではわさび入りの醤油だれにつけて食べることが多いので「わさび、醤油、水、マグロ魚醤」を混ぜて作っています。マグロ魚醤(참치액)は少し麺つゆの味がするらしいですが、代わりに麺つゆでも美味しそうですね。
以上、4つのレシピを紹介しましたが、全てコチュジャンを入れないレシピでした。
コチュジャンを入れる人もいましたが、粉唐辛子だけで作るのが主流です。個人的にはコチュジャン入りがとろみも出やすく味も良かったのですが、お好みで調整してくださいね~。
また、韓国でアグチムに必ず入れる海鮮として「미더덕 ミドドク」というものがあります。上記レシピすべてに入っています。日本語では「エボヤ」というらしいですが、日本では食べない様子です…。
名前通りにホヤのチビバージョンのような感じで、固い皮の噛むと、中からじゅわっと海の味がします。私はかなり好きで、赤いアグチムのお皿からちっちゃいエボヤをいつも探しています!
写真付きの詳しい作り方+ブログ
2回、違うレシピで作った時の写真です~。
半額になっていた島根生まれ育ちのあんこうで作った日^^
さつま揚げも入れて作りました。せりは抜きで。
1あんこうを綺麗に洗います。鍋にあんこう+水1/2カップ+みりん2を入れて蓋をして蒸します。
あんこうは、塩水にさらしました。
2せりは食べやすい長さに切り、長ねぎは薄切りにします。玉ねぎはすりおろしにします。
違う日にせりを入れて作った時の写真。
玉ねぎは省略しても良いですが、良い甘みが出るのでおすすめです!
3あんこうにほぼ火が通ったら、調味料◎を加えて煮詰めます。
◎ 粉唐辛子 大さじ1~2
◎ コチュジャン 大さじ1
◎ 味噌 大さじ1
◎ にんにく(すりおろし)大さじ1~2
◎ 玉ねぎ(すりおろし)1/2個分
◎ ダシダ(鶏がらスープの素ok)大さじ1
◎ 塩コショウ 少々
調味料を入れる前に、お好みで肝は取っておいてください~。この日は取らなかったので、タレに溶け込みました。いつの間にか消えていました。
タレの味見をして塩などで味を整えます。
塩や醤油で塩加減を調整します。このあと、野菜が入るので、ちょっと塩辛いほうが良いです。
もし甘みが足りなければ砂糖を少し追加します。この日はさつま揚げとすりおろした玉ねぎを入れたので、砂糖を入れなくても甘みが十分でした。
イカやえび、海鮮ミックスを入れるのもおすすめです!
4もやしを上にのせて少し蒸します。
長ねぎも加えて全体を混ぜ合わせます。
5水溶き片栗粉でとろみをつけます。白ごまをかけたら完成です。
せりがあったら、白ごまをかける前に加えます~。
出来上がりの写真はイマイチですが、美味しかったです^^
新潟産あんこうで作った日
この日は、半額ではない新鮮なあんこうで作りました~。
身がぷりぷりしていました。
この日は、参考レシピ動画1番目の作り方に近いスタイルで作りました。
にんにく、水、みりん、ダシダに、あんこうを蒸している間に、
野菜を準備します。
300円で高いなと思いながら購入したせり。せりは、韓国語で「ミナリ 미나리」という可愛い響きの名前ですが、韓国人の好きな野菜のひとつです。
蓋をオープン。
めちゃくちゃ良い匂いがします~。
一度、あんこうに火を通すことで崩れにくくなります。
オレンジ色っぽいものが肝。 この日は肝をこの形のまま守りたかったです。
なんか海の匂いがするな…
というような顔をしたマシューが隣にいました。
あんこうを取り出しました。
でも「肝」以外は、それほど崩れないので、肝だけ取り出しても良さそうです。
美味しそうで、このまま醤油につけて食べたいくらいでしたが、我慢。
鍋にもやし2袋を投入。
もやしは、韓国でよく使う豆もやしのように細長いものより、太いほうが歯ごたえが良いのでアグチムに人気です。
同時に味付けをします。
この日は、韓国の味噌テンジャンも少し入れてみましたが、イマイチでした^^; うちのテンジャンの味が強すぎて… あんこうには合わなかったです。豚肉にはすごく合うのですが…
日本の味噌だけで良い感じです。味噌の代わりに醤油で調整してもOK!
水溶き片栗粉でとろみをつけます。
キムチ漬けにもよく使われるもち米粉を混ぜてとろみをつけても良いです~。
あんこうを戻しました。
この作り方ではあんこうが崩れなくて綺麗ですが、タレの味がしっかり馴染まない気がして、、味の面では最初のレシピが良かったなと思いました。
せりは火がすぐ通るので、最後に軽く混ぜるだけで~。
白ごまをかけて出来上がり~。
あんこうの皮付近にはコラーゲンがたっぷりで美容に良いらしいです。
豚足もそうですが、そのような栄養はさておき、食感がぷりぷりで、味も美味しいので好きです。
夫があんこうを食べないので、この日はおつまみとして一人で半分を食べました。
肝から食べました^^
そして、翌日。
残りものでもう一度もやしとネギを入れて、2回目のアグチムを作りました。
参考レシピ動画の2番目のお母さんも言いましたが、いつもアグチムのタレが残ってしまうから、2,3回作り直して楽しめます。
前日は、粉唐辛子だけで作りましたが、この日はコチュジャンも追加してタレを調整。
仕上げに水溶き片栗粉を~。
2回目のアグチムの完成 ♪
あんこうは少なめですが^^;
もやしと長ねぎはシャキシャキで
あんこうは味が馴染んでいて二日目がもっと美味しかったです。
ダイエットのお粥(レシピ)に添えて食べましたが、良いおかずになりました。
かなり前にアグチムのレシピを知りたいという方がいらしたので、ずっと紹介したかったのですが、夫があんこうを食べないこともあって作る機会がなく、紹介するのが遅くなりました…。
アグチムは、外食で食べる料理というイメージを持っている韓国人が私を含めて多いと思いますが、思ったより簡単で美味しく作れるものですね^^
新鮮そうなあんこうや、半額になっているあんこうを見つけたら、手軽に作ってみてください!