ホーム近道韓国語韓国人の名前の呼び方。オッパや後ろにつくヤ・ア・イ♪ドラマで学ぶ韓国語

韓国人の名前の呼び方。オッパや後ろにつくヤ・ア・イ♪ドラマで学ぶ韓国語

韓国語で人を呼ぶ時に使われる表現

韓国人が人を呼ぶとき、名前の後ろに「ナ」「ヤ」などがついて名前自体も少し発音が変わることが気になった方、いませんか。

また兄弟じゃないのに「オッパ(お兄さん)」とか「ヌナ(お姉さん)」とかやたらとよく言いますよね。

参考になる韓国ドラマのシーンと合わせて説明したいと思います。

まず、大前提として

韓国人の名前は、日本と同じく姓と名にわかれています。

日本でよく使われる「山田太郎」的な名前が「キム・チョルス」ですが、韓国人は日本人に比べると、姓が家族、名が個人という考えが弱く、家族間でもフルネームで呼ぶことがあります。

夫婦別姓で親子でも父と子の姓が同じで、母の姓が異なるというのも理由の1つかもしれません。

何が言いたいのかというと、韓国では基本的に「キムさん」「パク様」のように、姓だけに何かをつけて人を呼ぶことはまずないと考えてください。

 

名前の後ろにつくものは、3つ

韓国語では、下記3種類の呼び方がありますが、名前の発音が変わる時は3番目のみです。

  1. 1名前+님(ニム):一番丁寧な呼び方ですが、知り合い同士で使うことはまずなく、店が客の名前を呼ぶ時などに使います。「お客様」の「様」に近いです。
  2. 2名前+씨(シ):「~さん」に近いです。丁寧な呼び方ですが、上司が部下に使うことはあっても、逆は使えないと考えてください。
  3. 3名前+아(ア)または 야(ヤ):親しい関係での呼び方。いわゆる「タメ口」や「~ちゃん」に近いです。

1番目の「님(ニム)」は、社長や先生などの後ろにもつけて、社長ニム、先生ニムと使います。部下が上司を呼ぶときは、役職+ニムか、姓+役職+ニムが多いです。

2番目の「씨(シ)」は、漢字の「氏」で、日本語の「さん」に近いですが、「さん」とははっきりと違いがあるので気をつけてください。日本の会社ではキム・チョルス部長のことを部下がキムさんと呼ぶところもあると思いますが、韓国で部長をキム氏と呼んだら、かなりまずいことになると思います。

逆に部長が平社員の部下を呼ぶときにもキム氏と呼ぶことはなく、「フルネーム+氏」または「名+氏」となります。ドラマを見るときに気をつけて聞いてみてください。

3番目の「아(ア)」または 「야(ヤ)」は、親しい人に使います。自分より目上の人には絶対に使えず、基本的には年下限定です。

年上の親しい人には、下記のような呼び方を使います。

  • オッパ(오빠):お兄さん ※女性が男性に呼びかける時に
  • ヒョン(형):お兄さん ※男性が男性に呼びかける時に
  • ヌナ(누나):お姉さん ※男性が女性に呼びかける時に
  • オンニ(언니):お姉さん ※女性が女性に呼びかける時に

もっと親しみを込めて、上記の呼び方の後ろに「아(ア)」または 「야(ヤ)」をつけて、「オッパヤ」「ヒョンア」「ヌナヤ」「オンニヤ」と呼んだりもします。

ちなみに、アッパ(아빠)はお父さんの意味ですが、発音が似ているので「オッパがアッパになった」と冗談で言ったりもします^^

ハングル文字一覧と発音を分かりやすく

 

아(ア)・야(ヤ)の使い分け

3番目の「아(ア)」または 「야(ヤ)」について詳しく説明します。

参考映像として『雲が描いた月明り(구르미 그린 달빛)』のセリフを見てみましょう。男装をしていた女性主人公が、初めて皇太子に自分の名前「ホン・ラオン 홍・라온」を明かすシーンです^^

皇太子:여인인 너를 뭐라 부르면 좋겠느냐(女性の君をなんと呼べば良いのか)

ラオン:홍 라온입니다(ホン・ラオンです)

皇太子:홍라온… 라온아(ホンラオン… ラオナー

最後の呼びかけの際に

라온아 ラオナー

と、名前の後ろに「아(ア)」が付いているのが分かります。

なぜ、야(ヤ)ではなく아(ア)?

「아(ア)」と 「야(ヤ)」の使い分けは、名前の最後にパッチムがついているかどうかです。

ハングルの発音の記事で、パッチムは、下についている子音だと紹介しました。

下記の場合は、「오 (オ)」の下についている「ㄴ(n)」がパッチムになります。このパッチムがある場合は、名前の後ろに「아(ア)」が来ます。

라온(ラオン) +  아(ア)= 라온아(ラオナ)

もし、名前が라오(ラオ)で、パッチムがなければ、下記のように「야(ヤ)」が来ます。

라오(ラオ) +  야(ヤ)= 라오야(ラオヤ)

皇太子役の人気俳優パクボゴム(박보검)の場合は、名前の最後が「ㅁ(m)」というパッチムで終わっているので、ラオンと同様に아(ア)が来ます。

보검(ボゴム) +  아(ア)= 보검아 (ボゴマ)

ここで、なぜ「ボゴムア」ではなく「ボゴマ」になるのか気になりますね。

皇太子も「ラオンア」ではなく「ラオナー」と言っていました。

連音化が起きるため

韓国語には連音化という発音の変化があります。いわゆるリエゾンですが、発音しやすくするための規則だと考えてください。

「ボゴムア」より「ボゴマ」のほうが発音しやすいですよね。

リエゾンはどの言語でも複雑ですが、ここでは、丸い形の子音「ㅇ」がパッチム(子音)の後に来ると、パッチムの子音に置き換わると考えてください。

보검아 (ボゴマ) の「ㅁ」が次の「ㅇ」に置き換わり、「보거마 ボゴマ」になるということです。

ただ、同じ「ㅇ」のパッチムが来たときは入れ替わらず、「ㅇ」がそのまま残った状態で「ア」が来ます。

ホン・ラオン役の女優の名前は、김유정(キム・ユジョン)ですが、

유정(ユジョン) +  아(ア)= 유정아 (ユジョンア)

「ユジョア 유저아」にはならないです。これだけ例外です。

このようなリエゾンが起きるので、名前の後ろに「ア、ナ、マ、ラ、ヤ」などいろんな発音になりますが、表記は上記のように아(ア)もしくは야(ヤ)のどっちです。

私もそうなんですが、韓国人のの名前は「ㄴ(n)」のパッチムで終わる名前が多いので、「ラオナー」のように「ナ」になることが多いです。



名前+이(イ)になる場合は

名前の後ろに이(イ)が来るときもありますが、それは呼びかけの時ではないです。

名前がパッチムで終わる場合、이(イ)がついて文章の中で使われたり、名詞化のような形になります。

こちらも発音しやすくするためにつくもので、同じく連音化が起きます。

보검이가 비빔밥을 먹었어요

ボゴミが ビビンバを 食べました。

ただ、パッチムで終わらない名前には、이(イ)はつかないです。

例えば、韓国の人気ドラマ『星から来たあなた(별에서 온 그대)』の女性主人公の名前は、チョン・ソンイ(천 송이)ですが、名前の後ろに이(イ)はつかないです。

송이가 양념치킨을 먹었어요

ソンイが ヤンニョムチキンを 食べました。

チョン・ソンイが出ている下記シーンから、이(イ)の使い方を見てみましょう。

女性主人公のチョン・ソイが自分の愛車のことを、「붕붕 ブンブン」と名付けていますが、

우리 붕붕(ウリ ブンブン

붕붕 (ブンブン

と両方言っているところがあります。最初の「ブンブンイ」は、呼びかけではなく「可愛い私のブンブンイ」のような意味合いで言っているだけです。車の中で「ブンブンア」と言うときは、愛車に呼びかける感じで言っています。

 

以上です!

日本語と同じく、名前の呼び方で、人との距離が分かるので、韓国ドラマや映画を見る時にも関係性の理解が深まって面白くなると思います。

 

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