パッチムとは?
韓国語の特徴の一つは、パッチムです。
パッチムとは、一言で言うと「1つの文字の下についている子音」です。
韓国語の文字ハングルは、1つの文字(=音節)が子音と母音の組み合わせで出来ていますが、その中で「子音+母音+子音」という組み合わせの文字があり、最後の子音がパッチムなのです。
まず、パッチムからパッチムを探してみましょう! パッチムは韓国語で、
받침
と2文字で書きますが、
下についている「ㄷ」「ㅁ」がパッチムです。
パッチムには「支える」という意味があるので、その意味通りの文字を支えています。
ハングルを支えているこのパッチムについて、種類や発音など詳しく紹介します。
パッチムの種類と一覧
パッチムには、さまざまな子音が使われますが、実際の発音は「ㄱ ㄷ ㅂ ㅇ ㄴ ㅁ ㄹ」の7種類です。
(全ての子音と母音については、こちらのハングル文字一覧から確認できます)
「ㄹ」以外は、日本語の「ッ」「ン」に近い発音をしているので難しくないです。
パッチム | 代表音(発音) | 発音のポイント |
---|---|---|
ㄱ, ㄲ, ㅋ | ㄱ(k) | 「サッカー」の「ッ」に近い ※舌の奥で息をふさぐ |
ㄴ | ㄴ(n) | 「パンダ」の「ン」に近い ※舌先を上の歯茎につけて息を抜く |
ㄷ, ㅅ, ㅆ, ㅈ,ㅊ, ㅌ, ㅎ | ㄷ(t) | 「さっと」の「っ」に近い ※舌先を上の歯茎につけて息をふさぐ |
ㄹ | ㄹ(l) | 舌先を歯茎の裏につけて 英語の「l」と同じく発音 |
ㅁ | ㅁ(m) | 「サンマ」の「ン」に近い ※唇をしっかり閉じて息を抜く |
ㅂ, ㅍ | ㅂ(p) | 「カッパ」の「ッ」に近い ※唇をしっかり閉じて息をふさぐ |
ㅇ | ㅇ(ng) | 「リング」の「ン」に近い ※口は閉じないで鼻から音を出す |
パッチムが同じ発音グループ(代表音)に属する場合は、表記が違っても同じ発音になるということですが、例えば、韓国人の名字として多い「박 朴」と、外の意味の「밖」は、同じ発音になります。
박 밖両方とも
発音が「박 pak」です。
パッチム発音の学習に役に立つ動画があるので、表に記載の発音のポイントと合わせて練習してみてください。
- 1【パッチムの全体説明と発音練習】韓国語・英語の字幕しかないですが、表の内容をある程度理解しておくと、どの部分を説明しているか分かると思います。
- 2「ㄱ」パッチム発音練習 ★発音はㄱ(k)
- 3「ㄴ」パッチム発音練習 ★発音はㄴ(n)
- 4「ㅅ」パッチム発音練習 ★発音はㄷ(t)
- 5「ㄷ, ㅈ, ㅊ, ㅌ, ㅋ, ㅍ, ㅎ」パッチム発音練習 ★ㄷ(t)※「ㅍ」だけㅂ(p)
- 6「ㄹ」パッチム発音練習 ★発音はㄹ(l)
- 7「ㅁ」パッチム発音練習 ★発音はㅁ(m)
- 8「ㅂ」パッチム発音練習 ★発音はㅂ(p)
- 9「ㅇ」パッチム発音練習 ★発音はㅇ(ng)
二重パッチム(ダブルパッチム)
パッチムには、2つの違う子音が来ることがありますが、それを二重パッチムと言います。
基本、左側にある子音で発音します。例えば、
값
は「ㅂ」「ㅅ」の中で
「ㅂ」で発音するので、
実際は、「갑 kap」という発音になります。
右側のパッチムで発音する二重パッチムが3つしかないので、それを中心に覚えると良いです。
パッチム | 代表音(発音) | 例(実際の発音・意味) | |
---|---|---|---|
左の子音を 発音する |
ㄳ | ㄱ(k) | 삯(삭・賃金) |
ㄵ ㄶ | ㄴ(n) | 많다(만타・多い) | |
ㄼ ㄽ ㄾ ㅀ | ㄹ(l) | 넓다(널따・広い) | |
ㅄ | ㅂ(p) | 값(갑・値段) | |
右の子音を 発音する |
ㄺ | ㄱ(k) | 닭(닥・鶏) |
ㄻ | ㅁ(m) | 삶(삼・生) | |
ㄿ | ㅂ(p) | 읊다(읍따・詠む) |
二重パッチムが小さくて、最初は何が書いてあるか分かりにくいと思いますが、基本の子音をしっかり覚えればだんだん目に入ってくると思います。
二重パッチムも結局、7つの代表音で発音します。表の最後のパッチムの例を見ると
읊다と書いて
実際の発音が「읍따」です。
右側の子音「ㅍ」で発音しますが、「ㅍ」は実際には「ㅂ」発音になるので、「읍」になります。
ここで、次に来る文字「다」が「따」発音に変化していることが分かります。
表の例に書いてある「많다」も、実際の発音が「만타」になっており、次の単語の発音が「다」から「타」に変わっています。
これは、パッチムによる発音の変化です!
パッチムによる発音の変化を味見
パッチムがあることで、次に来る文字の発音が変化することがあります。
変化する理由は、発音をしやすくするためです。
連音化(リエゾン)
代表的な発音の変化として、連音化というものがあります。
例として、「日本語」という下記ハングルは、
일본어
に表記しますが、
実際の発音は、下記になります。
일보너
表記と実際の発音を比べて見ると、2番目のパッチム「ㄴ」が消えて、3番目の文字が「어」から「너」になっていることが分かります。
連音化は、パッチム+「ㅇ」の言葉で発生すると覚えると良いです。
「ㅇ」は子音の中で特別なもので、パッチム以外で使われる時は発音がないです。無音です。
存在感のない「ㅇ」は、前にパッチムの子音があると、待っていたかのようにすっと吸い込んじゃいます。実は怖いやつなのです^^
この連音化については、下記の記事でもふれているので合わせて参考にしてください。
この連音化以外でも、パッチムによる発音の変化がいくつかありますが、今度また詳しく紹介します!
パッチムの壁を超えると楽になる
以前、中国語を習ったことがありましたが、四声が難しくて挫折しました^^; 音の高低、声調による違いを聞き取れなくてモヤモヤ~。
韓国語では、このパッチムで挫折している人が結構多いですが、この難関を突破すると、韓国語がだいぶ楽しくなると思います。
いろいろ説明しましたが、今回説明した内容のポイントは、
パッチムは、1つの文字(音節)の下についている子音で、
そこにいろんな子音が来るけど、結局は7つの代表音で発音する
ということです。
その7つのパッチム発音は、学習動画と合わせて少しずつ覚えてくださいね!
何か分かりにくいところや質問があれば、コメント チュセヨ~。