梅シロップ、韓国と日本の作り方
韓国料理のレシピによく登場するのが、この梅シロップです。
韓国では、キムチや甘酸っぱい和え物など、様々な料理に調味料として梅シロップを入れます。みりんくらいのレベルでよく使います。
なので、今の季節になると、梅シロップを作る人が多いです。
韓国のスーパーで撮った写真ですが、調味料コーナーでも梅シロップを売っています。
写真にも写っていますが、韓国語で梅シロップをメシルチョン(매실청)と言います。
ソウルの実家に行くたびに、自家製のメシルチョンをもらってくるのですが、コロナでしばらく実家に行くことができてなくて、今年は自分で作ってみようと思い、レシピをチェックしました。
実際作った写真と合わせて紹介したかったのですが、旬が終わっちゃうので先に韓国の情報をお届けしたいと思います。参考になれば嬉しいです。
人気レシピ動画3選から韓国人の作り方を紹介します。
- 料理研究家のレシピ
- 人気の簡単レシピ
- オリゴ糖入りの人気レシピ
日本の作り方とも比べてみました。梅シロップがよく入る韓国料理についても~!
料理研究家のレシピ
まずは、『きょうの料理』のような料理番組にもよく出てくる有名料理研究家の人気レシピから。
こちらでは、梅シロップのメシルチョン(매실청)と、梅の漬物のメシルチャンアチ(매실장아찌)の二つのレシピを紹介しています。共通している「メシル」が、梅の意味です。
漬物のメシルチャンアチ ⇒ シロップのメシルチョン の順で作っています。
■作り方(共通)
①梅をお酢入りの水でよく洗い、水気をしっかり除去する
②梅のヘタを取り、包丁で切り目を入れ、4等分に切る
③ボウルに梅+砂糖(+塩)を入れて、よく混ぜ合わせる
④半日~1日置いて砂糖が全部溶けてきたら、容器に入れて完成♪
■材料:梅シロップ
青梅 5kg
砂糖 4kg
※日が当たらないベランダや冷暗所で保存
■材料:梅の漬物
青梅 5kg
砂糖 3.5kg、塩 大さじ2
※砂糖が溶けたら冷蔵保存
レシピの要約は上記の通りですが、詳しくは動画から確認してください。
動画では時間の関係上、砂糖が溶けてないまま瓶に入れていますが、瓶の中で砂糖がよく溶けるように時々混ぜたり揺すったりしてくださいとのことです。
梅の漬物には塩も入っていますが、できたエキスは梅シロップのように使っても良いそうです。逆に梅シロップから取り出した梅の実も切ってあるから食べやすいですね。和え物にリメイクしても美味しそうです。
砂糖と梅の種類について
5kgの梅の種を抜いて4kgくらいになるので、砂糖の量も4kg。種入りの梅で1:1の割合で作ることが多いので少し控えめです。
砂糖は、精製されていない砂糖(원당)を使っています。普通の砂糖でも良いとのことですが、せっかくなので体に良い砂糖を~。
砂糖については、上記の記事が参考になりますが、きび砂糖・てんさい糖で良さそうですね。
てんさい糖には、オリゴ糖も入っているから良いですね。3番目のレシピで紹介しましたが、韓国ではオリゴ糖入りのレシピが人気なので、てんさい糖で作ってみることにしました。
梅シロップは、酸味を楽しめる青梅で漬ける人が多いですが、写真のように少し熟した梅で漬けるのも香りが良いとのことで人気でした。
カリカリと食感が美味しい漬物のメシルチャンアチは、青梅が良いです。
種抜きで作るメリット
少し手間がかかりますが、最近は種抜きで作る人が増えています。簡単に種抜きできる道具もスーパーで売っているみたいです。
梅の種には食べると毒になるというアミグダリンという成分が入っているからです。
梅の種や果肉には、種を守るため「青酸配糖体」という、糖と青酸が結合した物質がある。青酸は、人間の体内に入ると呼吸困難や目まいなど深刻な影響を与えるんだ。
でも、青梅に含まれる量はごくわずか。『白雪姫』に出てくる毒入りリンゴのように、一口かじると倒れてしまうなんてことはないよ。ピンポン玉ほどの青梅だったら、成人で約300個、子どもなら100個ほど食べないと深刻な影響は出ない。
アミグダリンは上記記事の青酸配糖体の一種ですが、100個以上食べると問題が起きるそうなので、そんなには気にしなくても良いレベルではあります。
有害な成分を取り除くという意味以外にも、梅からエキスが出やすくなるという利点があります。梅に穴をあけたり、つぶしたりして漬ける方法もあるそうですが、早く梅シロップを楽しみたいときにも良さそうです。
人気の簡単レシピ
こちらのレシピも人気です。
料理研究家のレシピのように、砂糖と和えたり、梅を切ったりする工程がなく、瓶に砂糖と梅を詰めるだけで簡単です。
キムチのように毎年一年分の梅シロップを作っているとのこと。大量で作りたい方にも参考になると思います。
■材料
梅10kg、砂糖10kg
■作り方
①梅をお酢入りの水に30分間入れたあと、3回洗って水気を切ります。
②傷がある梅は取り除きます。
③水気がなくなるまで半日~1日置きます。
④梅のヘタを取り除きます。
⑤容器に砂糖ー梅ー砂糖ー梅…と順番に入れます。
⑥一番上には空気を遮断するように砂糖を入れます。砂糖は2kg残しておきます。
⑦2~3日後に上に溶けたところ砂糖を追加します。それから2~3日後に残りの砂糖をすべて入れます。
⑧一週間後に砂糖が沈んでいたら混ぜてから、100日間熟成します。
このレシピは、梅と砂糖の比率が1:1です。日本のレシピも1:1が多いですね。
ちなみに、砂糖の量が少ないとカビがでたり、泡ができたりと、失敗しやすくなるという書き込みをよく見かけました。
梅の実を取り出す時期
梅シロップの梅を取り出すタイミングは、3か月(100日)か1年後が多かったです。
こちらのレシピ動画の方は、梅シロップを作った後、1年前に作った梅シロップから梅の実を取り出して料理に使い始めるそうです。このようなサイクルにしている人が多いです。
韓国では早くても3か月以降に実を取り出すという人が多く、日本のレシピに比べると遅いです。下記で参考にしている日本のレシピは、45日後でした。
熟成期間が長い分、韓国レシピの梅シロップは濃い色合いと味わいです。
オリゴ糖入りの人気レシピ
韓国では、オリゴ糖入りのレシピも人気です。
何十年間も梅シロップを作ってきたこちらの主婦は(↓画面の赤い字で)
매실은 이 방법이 최고예요!
梅は、この方法が最高です! とのことです。
■材料
青梅 4kg
オリゴ糖2kg、砂糖2kg
■作り方
①梅をよく洗い、1~2時間おいて水気をしっかり切ります。ヘタを取ります。
②容器に梅を入れ、オリゴ糖と砂糖を入れます。オリゴ糖を先に入れて容器を回し、梅にコーティングしてから、砂糖を入れると溶けやすく良いです。
③最初の何日間はガスが出るので、2~3日間は蓋を緩く。もしくは空気が入りそうな布で締めます。
④保存は冷暗所で。種は100日後、または1年後に取り出す。
梅シロップ作りで有名なおばあちゃんが韓国のテレビで紹介した人気レシピもオリゴ糖入りでした。
オリゴ糖を混ぜて作ると、体に良いところと、砂糖が溶けやすくなる利点があります。
こちらのレシピのように、オリゴ糖と砂糖の比率は1:1で作る人が多かったです。
日持ちと梅シロップが美味しくなる時期
こちらの方も1年後に梅を取り出してから、梅シロップを料理に使い始めるとのことです。
3か月後に梅を取り出すといっても、エキスをさらに熟成させてから飲んだほうが美味しいとのこと。日本では漬けてから2~3周後から楽しめると言うので、日本に比べると長く熟成させてから楽しむ人が多いです。
冷暗所におけば、何年間も保存がきくと動画の方が言っています。確かにうちの実家にも何年も前の梅シロップがリビングに置いてあります。
日本では常温では2か月以内とか賞味期限が短くて、この違いはなんだろうと思いましたが… うまく熟成されていて、胃腸が丈夫であれば韓国のように1年、2年でももつと考えていいでしょうかね。
韓国のレシピは、以上です!
その他、ナツメが梅との相性が良いとのことでナツメ入りのレシピも人気でした。はちみつで作るレシピもありましたが、今回紹介した3つのレシピに比べるとメジャーではなかったので省きました。
日本の作り方。氷砂糖で簡単!
韓国のレシピを見ているうちに、日本のレシピが気になったので調べました。梅干しの国、日本ですしね~。
白ごはん.comさんのレシピがやっぱり分かりやすかったです。梅シロップのレシピを検索したときに最初に出るレシピなのでご覧になられた方もいると思いますが…
韓国のレシピと違うところは、氷砂糖を使うところです。
日本のレシピは基本氷砂糖を使っていますね。
漬けて10日目にも氷砂糖が溶けなくて不思議だなと思いましたが、氷砂糖って氷ではなかったんですね^^; 氷砂糖を使ったことがなく、勘違いしていました。
氷砂糖を使うメリット
砂糖を梅と和えて溶かしてから瓶に入れる工夫も、瓶の中に沈んだ砂糖の溶け残りを混ぜる手間も、氷砂糖を使うとしなくて済みます。楽になりますね。
下記の記事にもそのようなメリットが書いてありました。氷砂糖が氷ではなく、1つの大きな砂糖の結晶ということも分かりました~。
それにすっきりとした味わいだから、氷砂糖は果実を漬けるのに良いとのこと。
氷砂糖で作るのと、砂糖で作るのと、オリゴ糖を混ぜて作るのと、どのような味の違いがあるか試してみたいです。
梅シロップの活用。キムチにも
梅シロップは、韓国料理の甘酸っぱい味の料理には欠かせない調味料になっています。
写真は、韓国のカルビ屋さんで食べた〆の冷麺。こちらのグルメ記事に載せた写真です。
左の水冷麺の甘酸っぱいスープの味付けにも、右のビビン冷麺の辛いタレにも、梅シロップがよく使われます。
コチュジャンとの相性も良いので、ビビンバのコチュジャンだれに入れても美味しいですし、イカやわかめの甘酸っぱい和え物にも活用できます。
梅シロップは、キムチを漬けるときにもよく使われます。
写真は、こちらのレシピで紹介したムチョンキムチですが、1番目の参考レシピにも梅シロップが入っていました。
材料は買いましたが、良い感じの瓶がなくて瓶を買いに行く予定です^^;
氷砂糖を使った日本のレシピも簡単なので、できれば両方とも作ってみたいなと思っています。