手作りコチュジャンの人気レシピ
この前、知人からコチュジャンのレシピを聞かれました。
コチュジャンの消費が多いから、作れるものなら作ってみたいとのことで~。
その時に韓国のほうで自家製コチュジャンのレシピを調べてみましたが、カライチを見てくださる方の中でも知りたい方がいるかなと思ったので、本場のレシピを分かりやすくまとめました。
本格な作り方2つと簡単な作り方3つ、合わせて5つの人気レシピを映像と合わせて紹介します。
主に使われている材料についても詳しく!
韓国人の本格レシピ2選
伝統的な作り方を基にした本格レシピから紹介します。
麦や小麦粉で作るコチュジャンもありますが、一番人気のもち米入りのコチュジャン(찹쌀 고추장 チャッサル コチュジャン)のレシピをピックアップしました。
50年のノーハウをおばあさんから学ぼう
まず、こちらの年配の方のレシピがおすすめです。
作り方はそれほど難しくないですが、材料の中で★が日本で一般的に売ってないところが難関です。こちらの材料についてはレシピの後で詳しく紹介します。
材料+レシピ
- もち米500g
- 粉唐辛子(細かい)300g
- ヨッキルム(麦芽の粉)★200g
- メジュカル(大豆の麹粉)★200g
- 水500ml + 1500ml
- 塩(天日塩)130g
- 醤油1/2カップ
- 砂糖少し
※材料名など翻訳がおかしいところがありますが、日本語字幕もあります。右下の字幕ボタンから選択できます。
- 1もち米3カップ(500g)をよく洗い、圧力炊飯器で炊飯する。
- 2水500gにヨッキルム(麦芽の粉)を混ぜておき、炊き終わったもち米に注いで5時間保温モードで発酵させる。※ごはん粒を触った時に粘りがなければ発酵成功
- 3発酵された2に、水1.5Lを追加し、こし布(こし器)で絞る。
- 4鍋に入れて半分以下になるまで煮詰める。終わったらボウルに入れて冷ます。
- 5ボウルに塩130g+メジュカル(大豆の麹粉)200g+粉唐辛子300gを順に加えて泡立て器でよく混ぜる。醤油1/2カップを入れて混ぜる。
- 6半日以上、室温においてから器に移す。壺(保存容器)をお酢で拭いて消毒する(焼酎や熱湯でもOK)。コチュジャンを入れ、上に砂糖(または塩)をかけて完成。ガラスの蓋や網をかけて熟成。
- ・【熟成期間】室温で2~3日置いてから、冷蔵で1ヶ月熟成後、食べごろ。※11月に作り、長めに熟成させて3月に食べるのが一番美味しい
醤油は入れない人もいますが、少し入れると旨味が増すのでおすすめとのことです。コチュジャンによって少し黒かったりしますが、それは醤油の有無だったんですね!
コチュジャンの主材料★について
メジュカル(메주가루)
メジュ(메주)とは、下記写真のように豆を煮て潰し、かたまりにして干したものです。つまり、大豆の麹ですが、韓国の醤油や味噌(テンジャン)、コチュジャンを作る時に使われます。
カル(가루)は粉の意味なので、大豆の麹を粉にしたものがメジュカルです。
ヨッキルム(엿기름)
ヨッキルムとは、麦芽のこと。麦に水を浸し、芽が出た後で干したものです。これを粗く粉にしたものを使っています(=ヨッキルム カル)
レシピで使われているものは、上記写真より細かく粉にしたものです。写真が載っていた韓国人のブログでヨッキルムの作り方を確認してみたら、結構大変そうな作業でした。
韓国式の甘酒シッケ(식혜)や、伝統的な飴(ヨッ 엿)を作る時にも使われています。伝統的なコチュジャンの甘さは主にこのヨッキルムからのようです。
ちなみに、後ろについているキルム(기름)は韓国語で油の意味ですが、油とは関係ないです。
本場では上記2つの材料を活用して、本格なコチュジャンを作る人が多いです。後半で紹介した簡単レシピでは、この材料を使わずに作る方法を紹介します。
韓国の人気No.1レシピ
本格な作り方として2番目で紹介するレシピは、YouTubeで再生数トップの人気レシピです。
こちらの韓国人主婦は、20年前に姑から学んだ手作りコチュジャンが美味しすぎて毎年作るようになったそうです。自分好みで改良も行い、ブログでも好評とのことです。
もち米の粉を使ったレシピなので、もち米を炊く手間がありません。
動画は粉唐辛子3kgで大量に作っていますが、後半に紹介されていた粉唐辛子1kg分の材料を記載しました。1番目のレシピから★の材料が追加されていますが、レシピのあとで詳しく紹介します。
材料+レシピ
- もち米の粉500g
- 粉唐辛子(細かい)1kg
- ヨッキルム(麦芽の粉)400g
- メジュカル(大豆の麹粉)416g
- 水4L(3L+1L)
- 塩(天日塩)466g
- ジョチョン(米の水飴)★833g
- メシルチョン(梅シロップ)★1.2L
- 焼酎120ml
※翻訳がおかしいところがありますが、日本語字幕もあります。
- 1前日に水につけておいたヨッキルム(麦芽の粉)をこし器でこす。
- 2ヨッキルムにもう一度水を混ぜて手で揉みながら、こし器でこす。
- 32の汁にもち米粉を加えて泡立て器でよく混ぜる。鍋で10分ほど加熱し、温まってきたら、火を止めて1時間おく。
- 4火をつけて半分以下になるまで煮詰める。
- 5熱いうちに、ジョチョン(米の水飴)+塩を入れて混ぜる。
- 6冷めてきたら、メジュカル+粉唐辛子+メシルチョン(梅シロップ)+焼酎を順に加えてよく混ぜる。
- 7壺をよく消毒して、コチュジャンを入れる。完全に冷めたら、ガラスの蓋をして熟成。
- ・【熟成期間】室温で1ヶ月間熟成させてから冷蔵庫に保存。夏場は短めにして冷蔵庫で熟成させる。
最後に入れる焼酎は、防腐剤のような役割です。チャイスルやJINROのような焼酎がよく使われています。
コチュジャンの辛さと甘さを調整
手作りなので、辛さと甘さを自分好みで調整できるのが良いですね。
辛いコチュジャンにしたい時には、ステップ6で汁が完全に冷めてから粉唐辛子を入れるのが良いとのことです。また、辛さが強い粉唐辛子をブレンドして入れる手もあります。
こちらのレシピでは、甘さをアップさせる下記調味料を入れています。
ジョチョン(조청)
昔からハチミツや砂糖の代わりによく使われていた茶色の水飴です。白い水飴よりコクのある味わいです。
種類がいろいろありますが、コチュジャンには、お米とヨッキルムと水だけで作るジョチョンがよく使われています。ここにもヨッキルムが登場しますね~。
メシルチョン(매실청)
梅シロップですが、韓国人は調味料としてよく使っています。他のレシピでもよく紹介してきましたが、詳しくはこちらの調味料記事を参考にしてください。
梅シロップ自体が発酵食品なので、コチュジャンの発酵を促すにも良さそうです。
1番目のおばあさんのレシピのように、ヨッキルムだけでも甘みが出ますが、こちらの甘い調味料を追加する人のほうが多い感じです。
韓国人の簡単レシピ3選
人気の簡単レシピを3つピックアップしました。日本でアレンジして作る際にヒントになると思います。
すぐ美味しい!味噌で作るレシピ
大豆の麹粉のメジュカルの代わりに、味噌を入れて作る即席コチュジャンレシピです。
メジュカルを入れて作る場合、1ヶ月以上十分熟成させないと美味しくならないのですが、すでに熟成された味噌を入れて作るので、作ってすぐ美味しく食べられます。
材料と調味料
- 粉唐辛子(細かい)300g
- 味噌(テンジャン)500g
- 塩(天日塩)15g
- ジョチョン(米の水飴)1kg
- メシルチョン(梅シロップ)200ml
- 焼酎200ml
上記の材料を入れて混ぜるだけで簡単です。味噌に豆が残っている場合は、ブレンダーなどで細かくします。
ヨッキルムを使わない代わりに、ジョチョンを多めに入れています。ジョチョンがなければ、ハチミツや水飴、砂糖で調整ですね。
日本で手作りコチュジャンの簡単レシピとしては、このような作り方が人気の様子です。
本格材料を使った簡単レシピ
材料さえあれば、こちらのレシピが手軽で良さそうです。
コチュジャンの材料をスーパーですぐ購入できる韓国ではこちらのレシピも人気です。火を使わず、混ぜるだけです。
材料と調味料
- 塩(天日塩)1カップ
- 清酒3カップ
- ジョチョン(米の水飴)3カップ
- 粉唐辛子(細かい)6カップ
- メジュカル(大豆の麹粉)2カップ
- メシルチョン(梅シロップ)半カップ
※日本語字幕があります。
- 1ボウルに塩1カップ+清酒3カップ+ジョチョン(米の水飴)3カップを入れてよく混ぜる。
- 2こし器にかけてメジュカル2カップ+粉唐辛子6カップを順に入れて、よく混ぜる。
- 3そのまま半日室温で置いたあと、味見をしてお好みで甘さ、塩加減、濃度を調整する。※塩ひとつかみ、メシルチョン(梅シロップ)半カップを追加
- 4消毒した瓶に詰めて熟成させる
- ・【熟成期間】一週間、室温で熟成後、冷蔵庫で1ヶ月間保存後、食べごろ。
ヨッキルムを煮詰めたりする過程がやっぱり大変そうですが、そこを省くことでかなり簡単な作り方になりますね。その代わりにジョチョン(米の水飴)を入れています。
メジュカルの代わりにオート麦?
やっぱりメジュカル(大豆の麹粉)がないのが困ったものです。
こちらのレシピでは、メジュカルの代わりにオート麦(燕麦・オーツ麦)の粉を入れていますが、香ばしくて美味しいとのことです。オート麦なら、日本で手に入りやすいから良いですね~。
材料と調味料
- 粉唐辛子(細かい)600g
- オート麦の粉1カップ
- 塩(天日塩)大さじ6
- 水4カップ+2カップ
- ジョチョン(米の水飴)1.5kg
- メシルチョン(梅シロップ)1カップ
- 焼酎1カップ
作り方は、簡単です。
沸かしたお湯に塩とジョチョンをよく溶かして冷ました後、他の材料を順に入れながらよく混ぜるだけです。お好みで甘さと塩加減は調整してくださいとのことです。
オート麦は、メジュカルのような癖がないから、熟成期間が短くても美味しく食べられそうです。考えてみると、メジュカルの代わりではなく、もち米の代わりが正しいかもしれませんね。
コチュジャンと韓国料理
以上、韓国人に人気の自家製コチュジャンレシピでした。
韓国料理を作る時にコチュジャンをよく使っているのに、コチュジャンについて詳しくは知らなかったのですが、勉強する良い機会になりました。
最近、日本でも韓国会社のコチュジャンがお手頃な値段で売っているので、市販のものを使っているのですが、手作りコチュジャンがやっぱり美味しいらしいので、余裕がある時に作ってみたいです。
コチュジャンがあれば、いろんな韓国料理が出来ますが、写真はチーズタッカルビ(レシピ)です。まずお肉を焼いているところ!
では、美味しいコチュジャンで韓国料理を楽しんでください~。